雲の向こうから
片道8㎞
15分。
仕事場までの道のり。
今日の朝は雨上がりの朝。
少し、灰色の雲がかかってて。
走りながら、灰色の向こう側に朝日が差し始めて。
灰色の雲の向こう側には、真っ青な青空があって。
新しい世界は、もう、すぐそこにあるって。
そんな風に言われている気がした。
そしたら、朝の陽の光が、灰色の雲を突き抜けてきて。
灰色の雲の向こう側から、黄金の光が差してくる。
黄金の光は、あっという間に、灰色の雲を光で包み込んで。
黄金の光には、叶わない。
灰色の雲は、突き抜けてきた黄金の光と同じ光になる。
光に統合される。
溶けていく。
そんな感覚。
私の中の、灰色の雲を、黄金の光で溶かす。
溶けていく。
溶けていく。